2007年2月10日 (土)

カリタとメリタの違いと円錐形ドリッパー

今年の東京は雪が一度も降らずに、暖かい穏やかな日が続いていますが、どうも最近は気持ちが落ち着きません。と言いますのは、開催まであと10日を切りました東京マラソへ向けての気持ちの昂ぶりのようです。フルマラソンは過去に何回も走って完走はしていますが、直近で大会出場したのは振り返って思い出しますに、もう3年も前のことになるんです。

えぇ・・・そんなに走っていないかなぁ・・と自分でもビックリするほどなんですが、その心理を自分で裏返すと、やはり42.195kmを走りきる不安感というものがチラつくんですね。まぁ、それでも、ここまできたらジタバタしても仕方がないので、とにかく体調万全で臨めるようにするだけなんですが。 さ、それでは、今日は「カリタとメリタの違いと円錐形ドリッパー」の話しです。 

 Karita1

ハンドドリップでコーヒーを淹れてる人は、カリタ社メリタ社のドリッパーを使っている方が多いのではないでしょうか。この2社のドリッパーは形状的にはほとんど同じ形をしています。大きな違いは、底に空いてる穴がメリタは1穴で、カリタは3穴です。Merita1_1

従って、使ってる人達の多くは、お湯の差し方で同じような淹れ方をしていると思います。

ところが、抽出の基本的な考え方が大きく違っているのです。

少し難しい言い方をしますと、西ドイツ製のメリタは浸漬型といいましてサイフォンと同じ考え方で抽出しますが、日本製のカリタは、それを見本にして透過型の考え方で作られています。

 
分かり易くいいますと、

・浸漬型:コーヒー粉をお湯の中に浸し漬けて、美味しい香味成分を出す。

・透過型:コーヒー粉にお湯を注いで透過させ、美味しい香味成分を出す。

という原理なんです

その原理に基づくと、≪お湯の注ぎ方に違い≫が出てきます。

Merita2
『メリタの浸漬型』では、
蒸らした後に、お湯を一気にドバドバと注ぎ、コーヒー粉をお湯の中で浸して、1つの底穴から少しづつ時間をかけて抽出していきます。
 

『カリタの透過型』では、Karita2
蒸らした後に、静かに中心部から円を描くように注湯して、ドリッパー 回りの粉の壁を壊さずに、3つの底穴からすばやく透過させて抽出していきます。

  
この淹れ方の違いによって、

メリタの浸漬法では、≪サッパリしたコーヒー≫を楽しむ人向けです。

カリタの透過法では、同じサッパリ系でも雑味の無いコーヒーを求めてるようです。

Kono2driper
カリタの透過型の改良型ともいえるドリッパーが円錐形のコーノ式です。

この円錐形のドリッパーは、最近ではハリオ社でも販売し始めました。

  ◆ドリッパー販売コーナー
 
     ⇒ 
http://www.beans510.com/shop/etc/etc-dripper.htm

円錐形にすることで、注湯したお湯が底穴に向かって、粉にお湯の流れを満遍なく集中させ、ドリッパーの内角を鋭角にすることですばやく抽出します。
しかしその構造原理が、カリタではコーヒーを口に含んだ時のボディ感(コク)が不十分だと感じていたコーヒーファンに喜ばれ、ペーパー仕様の簡易さを失わずに好評です。

              つづく「美味しいコーヒーの淹れ方」

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2007年2月14日 (水)

なぜ?カリタは底穴は3つなのか。

カリタとメリタのドリッパーの違いを取り上げて解説しましが、もう一度おさらいしましょう。

「なぜ?カリタの底穴は3つなのか。」

Karita1_1 その狙いは、ドリッパー内にお湯が溜まることなく、素早くコーヒー粉を透過して落ちることのようです。お湯がコーヒー粉に含まれる旨み成分を取り込んだら、いつまでも止まっていないで流れ落ち、次に流れてくるお湯がまた旨み成分を取り込み流れ落ちて、美味いコーヒーが淹れられるように考えられたのではないでしょうか。

・・・だとしたなら、なぜ?メリタと同じ1つ、または2つでなくて、3つなのでしょうか。

もし計算された狙いがあって「3つ」に決められたのでしたら、仮説としては一定の時間内で落ちきる抽出時間を考慮したのかもしれません。

そのように考えると、コーヒー粉の挽き加減も≪一杯あたり中挽きで10g≫がベストと考えた場合、≪粗挽きならば15g≫または≪細挽きなら7g≫のように挽き方で使用量も加減されます。ただし、濃度だけを考えるのでなく、美味しさを求めるならば≪細挽き≫は控えたほうがよさそうに思います。

                   つづく「美味しいコーヒーの淹れ方」

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2007年2月15日 (木)

ペーパーとネルの保水量の違い

「コーヒーを美味しく淹れる」方法で模索してます。私は淹れるのが専門の喫茶店のオーナーでなく、煎る方が専門の焙煎屋なのですが、どうしても解明しておきたい衝動に駆られています。

ここ数日の内容と一部重複しますが、コーヒーを淹れる器具の代表的なものは、ハンドドリップで使われる≪ドリッパー≫と称されるものです。メーカーとしては西ドイツ製のメリタ日本製のカリタの二つが有名です。

メリタは浸漬法といってサイフォンと同じ抽出原理で、ドリッパーの底穴が1つ開いてますが、カリタは透過法で抽出することが美味しいコーヒーが得られると考えて、底穴は3つ開けてあります。

この理論の違いは大きな違いで、お湯の注し方からして違ってきます。メリタはドバドバと必要量を一気に注ぎ、それほどのテクニックを必要としません。

しかし、カリタはテクニックが求められます。なぜ3つの底穴を開けたのかを考えると、2つではお湯がドリッパー内に溜まりすぎ、湯と粉のバランスが保てないと考えたからではないでしょうか。

だとすれば、カリタでの注湯量はコーヒー粉の保水量以上のお湯を注しては×だと言えます。これは大切なことで、コーヒーの教本に「静かにお湯を注ぎなさい」と書かれていることは、この「保水量≧お湯」の関係を指摘してるのです。

この関係が逆転して「保水量≦お湯」になってしまっては、メリタと同じ浸漬法になってしまいます。

Woodneck3_1 この理論が分かると、同じ透過法のネルドリップがペーパーを使うカリタよりコクのある美味しいコーヒーが得られると言われる理由の一つが解明できます。

同じ量のコーヒー粉を使っても、ネルドリップの場合はペーパーを使う場合より保水量が大きくなるのです。何故ならば、最初の≪蒸らし湯≫を注した場合に、ネルの収縮性によりコーヒー粉が満遍なく膨らむことが出来るからです。

ペーパーでは素材そのものが収縮性がなく、更にドリッパーの型にはめ込まれたことで固定され、下部の粉が蒸らし湯を注されても十分な膨らみを得られないと考えられます。

乾燥して締まった状態のコーヒー粉は、お湯を注され蒸らされることで、含まれる美味しい香味成分が抽出し易くされるのです。従って、満遍なく蒸らすことができるネルでは、保水量に違いができ、美味しい成分を限りなく抽出するための条件が整うと考えられます。

                つづく「美味しいコーヒーの淹れ方」

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2007年2月16日 (金)

<細挽き粉>をカリタで淹れる

本来、カリタのドリッパーには<中挽き>か<粗挽き>の粉を用いて、透過法で淹れると美味しいコーヒーができます。

それでは、<細挽き>または極端に<極細挽き>の粉を用いてカリタのドリッパーで、少しでも美味しく淹れる方法はどうしたらよいか・・・という応用編を書いてみます。この話しは上級向けなんですが、淹れ方としては初級編の話しになります。

カリタは、ドリッパー内に溜まったお湯の落ちる速度を少しでも早くするために3つの穴を開けました。想定してる粉は<中挽き>です。

ここで<細挽き>の粉を用いるとどうなるか?
粉密度が濃いために、お湯の落ちる速度が遅くなり、過抽出の現象が発生します。過抽出とは、コーヒーの美味しい成分だけでなく、雑味と呼ばれる余分な不味い成分までをも抽出してしまいます。<極細挽き>を用いれば尚更のことです。

それを防ぐためには2つの方法が考えられます。

一つは透過法を捨てて、メリタ式の浸漬法をカリタのドリッパーで試みるのです。つまり蒸らした後は、静かにお湯を注ぐのではなく、一気にドバドバとドリッパーの中で粉が泳ぐ程に勢いよくお湯を注ぎます。そうすれば底部分に粉の壁が無くなりますから、お湯が早く落ち、過抽出を防ぎます。

この方法は、細口ポットなどを用いないために、静かにお湯を注ぐことが出来ない初心者に向いてるとも言えます。普通のヤカンでドバドバっと注げばいいのですから・・・。

二つ目はお湯の温度を低めにして淹れる方法です。
お湯の温度は熱いほど溶解度は高くなります。反対に、ぬるめのお湯で溶解度を低く抑えて、抽出時間(お湯の落下速度)が長くなってもゆっくり美味しい成分を溶かす工夫です。

コーヒー粉の溶解成分は、最初に外側の旨み成分が溶け出して、中心部分にいくに従って雑味成分が溶けていきます。イメージとしては、飴玉の甘さと旨みが口の中で解ける感じと同じで、最後の方では旨み甘みが薄れていきます。

<細挽き>の場合はどちらか一つを用い、<極細挽き>の場合には2つを併用して抽出します。

実はこの方法を思いついたのは、仕事の現場作業で間違って<中挽き>処理のところを<極細挽き>で挽いてしまって、自家消費せざるを得なくなることが時々あるのです。いわば苦肉の策で考えた応用編です。笑)

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2007年2月17日 (土)

ネルドリップと円錐形ドリッパー

「ネルで淹れるコーヒーは美味しい」と言われるが、その理由が分りかけてきました。

【ポイントは2点】
1)ネル布の収縮性により、蒸らし湯で粉全体を満遍なく膨らませることができる。
2)手で持ったネルを操りながら全体に満遍なくお湯を注すことで、美味しい香味成分を十分に抽出させることが可能となる。


つまり、使用するコーヒー粉に含まれてる美味しい香味成分をネルドリップは出し切る要素を十分に持っているという話です。

その(2)番目のポイントを考慮して考案されたのが、珈琲サイフォン㈱の円錐形ドリッパー「コーノ式・名門」です。

Kono1 このコーノ式「名門」の構造は写真で分るように、円錐形の内部にリブが半分から下に12本延びています。このリブの高さと長さがお湯の落下速度に微妙に影響してきます。そして上部にリブを無くしてることで、お湯の流れを中心部に集めさせ、美味しい香味成分を満遍なく抽出させる役割を担わせているそうです。

Hario1 一方、最近売り出してるハリオ式円錐形ドリッパーは、渦巻きの流れに似せたリブを付けて、お湯を中心部に集める工夫をしています。またリブを内部全体に伸ばしてることで、ペーパーとドリッパーの間に隙間を作り、蒸らし時の空気を逃し、ネル同様に粉の膨らみを制限なくさせる狙いが見受けられます。 Kono2

どちらも底部は1つの大きな穴が開いております。
コーノ式:直径16mm
ハリオ式:直径20mm

この穴から円錐形に作られたペーパー先端部分が抜け出し、ドリッパーの構造に遮られることなく、ネルと同じようにコーヒー液が抽出されるのも美味しさの秘密ともなっています。
Hario2
どちらの円錐形ドリッパーがより美味しいコーヒーが淹れられるのか、老舗ドリッパーか新参ドリッパーか、試してみませんか。

販売コーナー ⇒ http://www.beans510.com/shop/etc/etc-dripper.htm

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