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2007年5月15日 (火)

カフワは冷えた飲み物

現在私たちが飲んでいるコーヒーと同じものが、いつ頃どのような経過で飲まれるようになったのかの推論として、前回の記述でひとつの結論としました。そして前回は、次にコーヒーの語源を探ってみましょうと書いて終わったのですが、・・・・・

ところが、です。 この「コーヒーの伝播」を継続して読んでいただいてる方には、二転三転するようで申し訳ないのだが、改めて見直してみると、今回の推論にもいくつかの疑問点が出てきました。

その一つが、『カフワという薬用効果のある飲み物は、もしかしたら冷えた飲みモノだった』のではないかと私は考え始めたのです。

なぜなら、コーランの教えでは<熱い料理に息を吹きかけて食べることを禁じていた>ことを知ったからです。息には生命の息吹が宿ってると考えられ、熱いものを冷まそうとして息を吹きかけることは、身体の気を無駄に使うこととされたようです。

神秘教スーフィー派の僧侶に、最初にカフワとして用いられていたものは、今でもイエメンの男性には無くてはならないカートと呼ばれるものでした。 ある時にこのカートの代用品として、聖職者ザブハーニーが東アフリカへ宣教活動で出向いた際に見つけたブンが用いられるようになったわけですが、例え、煮出して作った液体だったとしても、その飲用はコーランの教えに従って、熱いままではなく、冷まして飲まれたと考えるのが自然です。

だとすると、前回及び前々回での仮説として、ブンが採れる南アラビアのアデン地区からメッカに旅立つスーフィー僧侶たちが≪ブンの種子≫を持ち歩いたとする、必然性はでてこなくなります。  なぜなら、冷まして作られたカフワを皮袋に入れて持ち歩けばすむことだし、そのほうが作る手間が省けて都合がよいはずだからです。

そのように推論していくと、「旅するスーフィー僧侶が、ブンの種子を焚き火に入れて偶然に香り豊かなコーヒーを見つけた」とする考えが成り立たなくなってきます。

スーフィー派の僧侶が、ブンの果実を使ってカフワとして作ったものは、今もイエメンで飲み物として人気の高いブンの果実の皮殻から作られるギシルに違いないのです。

現在でこそ、そのギシルは熱い飲み物で、更には美味しく飲むために、カルダモンやナツメグなどのスパイスと共に砂糖をたっぷり入れた飲み物となってますが、スーフィー派の僧侶達にとっては覚醒作用を求める秘薬としての飲み物だったのです。

ちなみに、現在のイエメンでは、私たちが飲むようなコーヒーをアラビアコーヒーとして≪ブン≫と呼び、イエメンコーヒーとしての皮殻を煮出した≪ギシル≫と二通り飲まれていますが、人気も価格もギシルのほうが高いようです

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