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2007年2月 2日 (金)

書き損じた年賀はがき

実は私の店では、今年より二つのNPOとNGO団体に毎月一定の寄付をすることにしました。コーヒー豆を販売させて頂いてる感謝の気持ちからです。

で、それ以外にも援助するアイディアはないかと今朝思いついたのが、毎月支援キャンペーン銘柄として決めたコーヒーの売り上げ金の一部を寄付することでした。

そんなことを考えながら「セーブ・ザ・チルドレン」サイトを眺めてましたら、昨日から≪書き損じハガキキャンペーン≫を始めたことを知りました。私なんかは毎年、年賀状の書き損じたハガキが必ず出ます。それを集めて送れば、セーブ・ザ・チルドレンが切手と交換してその活動に役立たせます。その情報をネット店のお客様にメールマガジンで伝え、店舗サイトにアップしようと思ってます。

私が扱う商材コーヒー豆の産地は赤道を挟んだコーヒーベルト地帯と呼ばれる地域で、世界でも最も貧しい国々が点在してます。ところがその地域は、世界で最も自然が残っており動植物の原種が存在する熱帯雨林気候の貴重な場所でもあります。その地域で育つ子供達に教育援助を施し、明るい笑顔で未来を目指して欲しいと願うのです。

世界には学校に通えない子どもたちがまだまだたくさんいます。貧困や紛争などが大きな理由として挙げられます。また、その地域固有の宗教・文化・差別なども子どもたちが教育を受けるのに大きな障害となっています。 自らが学校に通ったことのない親は、子どもが教育を受けることの大切さ、またそれが子どもの権利であることを十分に理解していないんです。

※書き損じハガキの郵送先

〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町3-2-6 ストークビル8階

社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「書き損じはがき」係宛

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2007年2月10日 (土)

カリタとメリタの違いと円錐形ドリッパー

今年の東京は雪が一度も降らずに、暖かい穏やかな日が続いていますが、どうも最近は気持ちが落ち着きません。と言いますのは、開催まであと10日を切りました東京マラソへ向けての気持ちの昂ぶりのようです。フルマラソンは過去に何回も走って完走はしていますが、直近で大会出場したのは振り返って思い出しますに、もう3年も前のことになるんです。

えぇ・・・そんなに走っていないかなぁ・・と自分でもビックリするほどなんですが、その心理を自分で裏返すと、やはり42.195kmを走りきる不安感というものがチラつくんですね。まぁ、それでも、ここまできたらジタバタしても仕方がないので、とにかく体調万全で臨めるようにするだけなんですが。 さ、それでは、今日は「カリタとメリタの違いと円錐形ドリッパー」の話しです。 

 Karita1

ハンドドリップでコーヒーを淹れてる人は、カリタ社メリタ社のドリッパーを使っている方が多いのではないでしょうか。この2社のドリッパーは形状的にはほとんど同じ形をしています。大きな違いは、底に空いてる穴がメリタは1穴で、カリタは3穴です。Merita1_1

従って、使ってる人達の多くは、お湯の差し方で同じような淹れ方をしていると思います。

ところが、抽出の基本的な考え方が大きく違っているのです。

少し難しい言い方をしますと、西ドイツ製のメリタは浸漬型といいましてサイフォンと同じ考え方で抽出しますが、日本製のカリタは、それを見本にして透過型の考え方で作られています。

 
分かり易くいいますと、

・浸漬型:コーヒー粉をお湯の中に浸し漬けて、美味しい香味成分を出す。

・透過型:コーヒー粉にお湯を注いで透過させ、美味しい香味成分を出す。

という原理なんです

その原理に基づくと、≪お湯の注ぎ方に違い≫が出てきます。

Merita2
『メリタの浸漬型』では、
蒸らした後に、お湯を一気にドバドバと注ぎ、コーヒー粉をお湯の中で浸して、1つの底穴から少しづつ時間をかけて抽出していきます。
 

『カリタの透過型』では、Karita2
蒸らした後に、静かに中心部から円を描くように注湯して、ドリッパー 回りの粉の壁を壊さずに、3つの底穴からすばやく透過させて抽出していきます。

  
この淹れ方の違いによって、

メリタの浸漬法では、≪サッパリしたコーヒー≫を楽しむ人向けです。

カリタの透過法では、同じサッパリ系でも雑味の無いコーヒーを求めてるようです。

Kono2driper
カリタの透過型の改良型ともいえるドリッパーが円錐形のコーノ式です。

この円錐形のドリッパーは、最近ではハリオ社でも販売し始めました。

  ◆ドリッパー販売コーナー
 
     ⇒ 
http://www.beans510.com/shop/etc/etc-dripper.htm

円錐形にすることで、注湯したお湯が底穴に向かって、粉にお湯の流れを満遍なく集中させ、ドリッパーの内角を鋭角にすることですばやく抽出します。
しかしその構造原理が、カリタではコーヒーを口に含んだ時のボディ感(コク)が不十分だと感じていたコーヒーファンに喜ばれ、ペーパー仕様の簡易さを失わずに好評です。

              つづく「美味しいコーヒーの淹れ方」

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2007年2月14日 (水)

なぜ?カリタは底穴は3つなのか。

カリタとメリタのドリッパーの違いを取り上げて解説しましが、もう一度おさらいしましょう。

「なぜ?カリタの底穴は3つなのか。」

Karita1_1 その狙いは、ドリッパー内にお湯が溜まることなく、素早くコーヒー粉を透過して落ちることのようです。お湯がコーヒー粉に含まれる旨み成分を取り込んだら、いつまでも止まっていないで流れ落ち、次に流れてくるお湯がまた旨み成分を取り込み流れ落ちて、美味いコーヒーが淹れられるように考えられたのではないでしょうか。

・・・だとしたなら、なぜ?メリタと同じ1つ、または2つでなくて、3つなのでしょうか。

もし計算された狙いがあって「3つ」に決められたのでしたら、仮説としては一定の時間内で落ちきる抽出時間を考慮したのかもしれません。

そのように考えると、コーヒー粉の挽き加減も≪一杯あたり中挽きで10g≫がベストと考えた場合、≪粗挽きならば15g≫または≪細挽きなら7g≫のように挽き方で使用量も加減されます。ただし、濃度だけを考えるのでなく、美味しさを求めるならば≪細挽き≫は控えたほうがよさそうに思います。

                   つづく「美味しいコーヒーの淹れ方」

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2007年2月15日 (木)

ペーパーとネルの保水量の違い

「コーヒーを美味しく淹れる」方法で模索してます。私は淹れるのが専門の喫茶店のオーナーでなく、煎る方が専門の焙煎屋なのですが、どうしても解明しておきたい衝動に駆られています。

ここ数日の内容と一部重複しますが、コーヒーを淹れる器具の代表的なものは、ハンドドリップで使われる≪ドリッパー≫と称されるものです。メーカーとしては西ドイツ製のメリタ日本製のカリタの二つが有名です。

メリタは浸漬法といってサイフォンと同じ抽出原理で、ドリッパーの底穴が1つ開いてますが、カリタは透過法で抽出することが美味しいコーヒーが得られると考えて、底穴は3つ開けてあります。

この理論の違いは大きな違いで、お湯の注し方からして違ってきます。メリタはドバドバと必要量を一気に注ぎ、それほどのテクニックを必要としません。

しかし、カリタはテクニックが求められます。なぜ3つの底穴を開けたのかを考えると、2つではお湯がドリッパー内に溜まりすぎ、湯と粉のバランスが保てないと考えたからではないでしょうか。

だとすれば、カリタでの注湯量はコーヒー粉の保水量以上のお湯を注しては×だと言えます。これは大切なことで、コーヒーの教本に「静かにお湯を注ぎなさい」と書かれていることは、この「保水量≧お湯」の関係を指摘してるのです。

この関係が逆転して「保水量≦お湯」になってしまっては、メリタと同じ浸漬法になってしまいます。

Woodneck3_1 この理論が分かると、同じ透過法のネルドリップがペーパーを使うカリタよりコクのある美味しいコーヒーが得られると言われる理由の一つが解明できます。

同じ量のコーヒー粉を使っても、ネルドリップの場合はペーパーを使う場合より保水量が大きくなるのです。何故ならば、最初の≪蒸らし湯≫を注した場合に、ネルの収縮性によりコーヒー粉が満遍なく膨らむことが出来るからです。

ペーパーでは素材そのものが収縮性がなく、更にドリッパーの型にはめ込まれたことで固定され、下部の粉が蒸らし湯を注されても十分な膨らみを得られないと考えられます。

乾燥して締まった状態のコーヒー粉は、お湯を注され蒸らされることで、含まれる美味しい香味成分が抽出し易くされるのです。従って、満遍なく蒸らすことができるネルでは、保水量に違いができ、美味しい成分を限りなく抽出するための条件が整うと考えられます。

                つづく「美味しいコーヒーの淹れ方」

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2007年2月16日 (金)

<細挽き粉>をカリタで淹れる

本来、カリタのドリッパーには<中挽き>か<粗挽き>の粉を用いて、透過法で淹れると美味しいコーヒーができます。

それでは、<細挽き>または極端に<極細挽き>の粉を用いてカリタのドリッパーで、少しでも美味しく淹れる方法はどうしたらよいか・・・という応用編を書いてみます。この話しは上級向けなんですが、淹れ方としては初級編の話しになります。

カリタは、ドリッパー内に溜まったお湯の落ちる速度を少しでも早くするために3つの穴を開けました。想定してる粉は<中挽き>です。

ここで<細挽き>の粉を用いるとどうなるか?
粉密度が濃いために、お湯の落ちる速度が遅くなり、過抽出の現象が発生します。過抽出とは、コーヒーの美味しい成分だけでなく、雑味と呼ばれる余分な不味い成分までをも抽出してしまいます。<極細挽き>を用いれば尚更のことです。

それを防ぐためには2つの方法が考えられます。

一つは透過法を捨てて、メリタ式の浸漬法をカリタのドリッパーで試みるのです。つまり蒸らした後は、静かにお湯を注ぐのではなく、一気にドバドバとドリッパーの中で粉が泳ぐ程に勢いよくお湯を注ぎます。そうすれば底部分に粉の壁が無くなりますから、お湯が早く落ち、過抽出を防ぎます。

この方法は、細口ポットなどを用いないために、静かにお湯を注ぐことが出来ない初心者に向いてるとも言えます。普通のヤカンでドバドバっと注げばいいのですから・・・。

二つ目はお湯の温度を低めにして淹れる方法です。
お湯の温度は熱いほど溶解度は高くなります。反対に、ぬるめのお湯で溶解度を低く抑えて、抽出時間(お湯の落下速度)が長くなってもゆっくり美味しい成分を溶かす工夫です。

コーヒー粉の溶解成分は、最初に外側の旨み成分が溶け出して、中心部分にいくに従って雑味成分が溶けていきます。イメージとしては、飴玉の甘さと旨みが口の中で解ける感じと同じで、最後の方では旨み甘みが薄れていきます。

<細挽き>の場合はどちらか一つを用い、<極細挽き>の場合には2つを併用して抽出します。

実はこの方法を思いついたのは、仕事の現場作業で間違って<中挽き>処理のところを<極細挽き>で挽いてしまって、自家消費せざるを得なくなることが時々あるのです。いわば苦肉の策で考えた応用編です。笑)

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2007年2月17日 (土)

ネルドリップと円錐形ドリッパー

「ネルで淹れるコーヒーは美味しい」と言われるが、その理由が分りかけてきました。

【ポイントは2点】
1)ネル布の収縮性により、蒸らし湯で粉全体を満遍なく膨らませることができる。
2)手で持ったネルを操りながら全体に満遍なくお湯を注すことで、美味しい香味成分を十分に抽出させることが可能となる。


つまり、使用するコーヒー粉に含まれてる美味しい香味成分をネルドリップは出し切る要素を十分に持っているという話です。

その(2)番目のポイントを考慮して考案されたのが、珈琲サイフォン㈱の円錐形ドリッパー「コーノ式・名門」です。

Kono1 このコーノ式「名門」の構造は写真で分るように、円錐形の内部にリブが半分から下に12本延びています。このリブの高さと長さがお湯の落下速度に微妙に影響してきます。そして上部にリブを無くしてることで、お湯の流れを中心部に集めさせ、美味しい香味成分を満遍なく抽出させる役割を担わせているそうです。

Hario1 一方、最近売り出してるハリオ式円錐形ドリッパーは、渦巻きの流れに似せたリブを付けて、お湯を中心部に集める工夫をしています。またリブを内部全体に伸ばしてることで、ペーパーとドリッパーの間に隙間を作り、蒸らし時の空気を逃し、ネル同様に粉の膨らみを制限なくさせる狙いが見受けられます。 Kono2

どちらも底部は1つの大きな穴が開いております。
コーノ式:直径16mm
ハリオ式:直径20mm

この穴から円錐形に作られたペーパー先端部分が抜け出し、ドリッパーの構造に遮られることなく、ネルと同じようにコーヒー液が抽出されるのも美味しさの秘密ともなっています。
Hario2
どちらの円錐形ドリッパーがより美味しいコーヒーが淹れられるのか、老舗ドリッパーか新参ドリッパーか、試してみませんか。

販売コーナー ⇒ http://www.beans510.com/shop/etc/etc-dripper.htm

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2007年2月21日 (水)

和食派ですか、洋食派ですか?

少し難しい話が続いたので、今日は視点を少し変えた話題です。

私の店ではご注文の際にお客様にローストの指定をお願いしてます。

 浅煎りのミディアムを好むお客さん。
 バランスの取れたシティやフルシティを好むお客さん。
 そして濃厚なコクを求めて深煎りのフレンチを好むお客さん。

ほんとうに、いろいろ、ですね。

で、ふっと、考えたんです。。。。。

この皆さんの嗜好の違いは、どこから来るのだろうか、と。
皆さんは、どうしてそのローストが好みなのかをご自身で考えたことがありますか?

例えば、、、

○昔よく通った喫茶店で飲んだコーヒーが、そのロースト香味だったから。
○ヨーロッパへ旅行したときに美味しい!と思ったコーヒーがそれでした。
○コーヒーは最近飲み始めたけど、スターバックスで美味しかったから。
○昔から家族で飲んでたコーヒーがそのローストのコーヒーだから。

・・・なんてかんじで、いろいろあると思うんですね。

ですが、私はふっとした思い付きで一つの仮説を立ててみました。

それは、表題にもしました≪食事の好み≫です。

どんなコーヒーを好むかは、その人が普段どんな食事を好んで食べてるかにかかわってるのではないかと考えたんです。 つまり、日本食が好きなのか、洋食が好きなのかです。

この場合の≪食事の好み≫ですが、

・今日は何が食べたい?って聞かれたときに答える食事。
・または、お昼時に外食で何を食べるか?

です。

そんな風に考えたときに、
ミディアムを好む人は、日本食好みなんではないだろうかと。
反対にフルシティ以上の深煎りを好む人は、洋食好みではありませんか。

ヨーロッパへ行くと、それぞれの国で飲むコーヒーの味・ローストが一定です。

それは普段の食事から含めて嗜好が一定なんで、日本のように日本食や中華や洋風料理など、当たり前のようになんでも選択できる環境ではコーヒーのロースト嗜好もいろいろだったりするのではないかと考えてみたんです。

この仮説は、当たっていますかね。

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2007年2月23日 (金)

コーヒー教室の閲覧方法

こんにちは。 「コーヒー教室」ブログへ、ようこそ♪

私は毎日、お客様からご注文いただいたコーヒー豆を煎りながら、これらのコーヒー豆はどのような歴史を経て飲まれるようになったのか、どのような伝播を経てそれぞれの産地で栽培されるようになったのかなどを考えます。

また当然ながら、美味しいコーヒーの淹れ方を教えてくださいとのご質問も多くいただきます。このブログは、そんなコーヒー豆の自家焙煎店を営むマスターとして知りえたこと、学んできたことなどをカテゴリーに分けて書き進めてみようと始めました。

従って、この『コーヒー教室@Beans510』を初めてご覧頂く方には、通常のように日記風な閲覧をしてもらうのではなく、カテゴリー分けした内容の中から興味ある項目や知りたい項目を選んでご覧ください。また継続購読していただいてます方は、右欄の「最新の記事」から選んで購読してください。

その意味ではまだまだ「コーヒー教室」とするには内容的に不十分ですが、書き続け読み続けていくことで、コーヒーに関するいろいろな知識を得てもらうサイトとして作り上げていきたいと考えておりますのでご愛読いただければと思います。

なお、記述内容に異論対論がありましたらコメントにてご指摘ください。何が正しくて何が間違っているのかを同じコーヒーファンの仲間として楽しく論じ合えたら嬉しく思います。

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尚、Topに掲載してます看板画像は2006年にイスタンブールを訪れた際に撮った写真で、オスマン帝国時代に建てられたチュラーン宮殿の中庭からボルフォス海峡を眺めた風景です。

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2007年2月25日 (日)

話しのスタートは1582年から

このカテゴリーでは、コーヒー豆がどのようにして伝わり、世界中で飲まれるようになったのかを書いてみたいと思います。実はこのテーマのブログを昨年スタートさせて途中まで書いていたのですが、今回改めてこちらのコーヒー教室に移します。

さて、私たちは学校教育で日本史と西洋史を別々に教わりました。 そんな歴史教育をする国は珍しいそうです。 歴史を学ぶとは、日本と世界をリンクさせて同時に学ばないとなかなか掴みづらいものなんです。

そこで、ひとつのキーワード≪コーヒー≫からどんな歴史が見つかるか。

そんな実験として、私のネット店のお客様に読んでもらうメルマガに連載を始めたんです。題して『コーヒーの伝播を追って世界と日本の歴史を訪ねる』

このテーマに沿っていろいろ調べているんですが、自分でも面白くて夢中になります。


話しのスタートは1582年から。
普通はコーヒーの伝播を話すスタートは、やはりコーヒーノキが見つかった頃からの話しですすめるのですが、ここではちょっとひねってスタートを1582年とします。

実はこの年にドイツの医者であり植物学者のレーオンハルト・ラウヴォルフという人物が3年間ほどオリエントを旅行して帰ってきて報告記を書いてます。

その中で、オリエントのイスラム社会で飲まれてるチャウベと呼ばれてたコーヒーの話を初めてヨーロッパに伝えたとされてます。 つまり、ここからイスラム社会だけでなくキリスト教社会に伝わり、さらに世界中でコーヒーが飲まれるようになった一つの切っ掛けでもあります。


では、その頃この1582年に、日本では何があったか? そんなことも見ていきましょうか。

その年の6月に織田信長が本能寺の変で死亡しました。
そして一方、九州のキリシタン大名が4人の少年を遣欧使節団としてローマ法王に謁見させるべく旅立たせているんですね。 日本も世界に目を向け始めた時期だったんですね。


それでは、その頃のヨーロッパはどんな情勢だったのかと調べると、ポルトガルとスペインが1580年に併合し、大型船をつかって新世界を探す大航海時代の真っ只中。 ポルトガル人やスペイン人が船で世界中を駆け巡り、キリスト教の布教活動(如いてはヨーロッパ世界の拡大)が行われてます。

ヨーロッパでは、この時代の飲み物といえばアルコール一辺倒でしたから、この後にコーヒーを知ったということはヨーロッパ社会を大きく変えた要因でもあったんですね。

こんな風に芋づる式に調べていきますと、世界が見えてきて面白い発見が次々と出てきますので、乞うご期待ください♪

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1582年ごろの世界の飲み物文化

先週の日曜日には東京マラソンに出場してフルマラソンを走ってきたので、今日の休日は家でおとなしく読書してます。そんなわけでブログも連続投稿! ・・・といっても、このコーヒーの伝播話しは以前書いた内容の焼き直しでもあるので楽チンなわけです。^^

さ、それでは、さらに≪コーヒー伝播≫の話しを進めていきましょう。

オリエントの飲み物であったコーヒーに関心を向けた1582年頃に、嗜好的な飲み物としてヨーロッパの貴族や富裕層の人たちは何を飲んでいたのでしょうか

実はこの時代は、嗜好的な飲み物文化が大きく3つの世界に分かれていたんです。
その3つの世界を簡単に整理してみましょう♪

・イスラム社会
オスマントルコの中心都市であったコンスタンチノーブル(今のイスタンブール)で世界初の珈琲ハウスができたのが1554年と言われています。 イスラム社会ではコーランの教えでアルコールを禁じられていましたから、同じイスラム社会であるエジプトのカイロやシリアのダマスカスなども≪コーヒー≫が多くの民衆に嗜好飲料として飲まれ始めていたのです。

・キリスト教社会
一方その当時のヨーロッパでの飲み物は?・・・・といいますと、 キリストが最後の晩餐で12人の弟子たちと食事をしたときに『パンは私の肉体、そしてワインは多くの人の罪の許しを願うために流す私の血』だと話して分け与えたことから、修道院などでせっせと造られ嗜好的な飲み物として広まったのがワインです。
そして、ワイン同様にヨーロッパではアルコール飲料が人気を集め、アルコール三大飲料としてビール、シードル(りんご酒)も飲まれていました。
フランスでアルコールを飲ませる店として「キャバレー」と称される店が広まったのが13世紀ですが、ヨーロッパの街中には一杯飲み屋が大繁盛してました。

ですので余談ですが、ヨーロッパにカフェ文化が広まり始めたときに婦人たちは喜んだんですね。 飲んだくれの男性陣が減ることと、家に閉じこもっていた女性たちもカフェなら出入りすることが許されるようになるからなんです。


・アジアの儒教仏教社会
その点、日本ではこの当時に織田信長に贔屓にされた千利休のお茶の文化が始まってます。  ヨーロッパ貴族の酒池肉林に比べて、何も削るものがないところまで無駄を省いて、緊張感を作り出すという「わび茶」世界を完成してるのですから日本文化は凄い!と言わざるを得ません。^^  このお茶文化は中国を起源として、アジアの儒教仏教社会に広く根付いていったのです。

アルコールしか飲まなかったヨーロッパのキリスト教社会。
アルコールを禁じられてコーヒーを飲んだオリエントのイスラム社会。
アルコールもお茶も飲んだアジアの先進国儒教仏教社会。

この三世界に飲み物文化が分かれていたというのが面白いと思いませんか。

                   ではまた続きを、乞う ご期待♪ ^^ゞ

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2007年2月27日 (火)

宣伝用のコーヒー伝説

Arab1それではそろそろオリエントのイスラム社会で、どのようにしてコーヒーが飲まれるようになったのかを調べてみましょう。

ご存知の方も多いと思いますが、コーヒーの起源にまつわる話しは2つに大別できます。

一つは、”ある日、放牧していたヤギ達が笛を吹いても集まってこず、あちこち探してみると、赤い実をつけた木の周りで葉や実を食べて元気に跳ね回っていた。それを見つけたカルディが自分でもその実を食べたところ不思議な力を得て、もう2度と疲れたり不機嫌になることはないように思われた。その噂が広まり、エチオピアでは大切な木として扱われるようになった。”という「エチオピアのヤギ飼いカルディ」の話しですね。

この伝説は、ヨーロッパのキリスト教社会でコーヒーが飲まれるようになってから作られた宣伝用の話しなんです。中公新書「コーヒーが廻り世界史が廻る」によると、17世紀のナイローニという東洋学者が作った話らしいですよ。

なぜエチオピアが舞台かというと、この国は古くからアフリカで唯一のキリスト教国家で、コーヒーの発祥地として考えられていたからですね。そしてイスラム圏ではこのように話の中にヤギが出てくる伝説は見当たりません。

一方同じように、イスラム社会で作られた宣伝用伝説が「聖職者シーク・オマール」の話しです。オマールはモカに住んでいた実在の人物といわれていますが、13世紀もしくは15世紀初めの人ですから、それ以前の9世紀にアラビアの賢者とされるラーゼスがコーヒーノキの古い名称「バン」についての記述をしてることを考えると、モカ港がヨーロッパへのコーヒー交易の出荷港であったというコマーシャル説にやはり一票ですね。

”アラブの偉いお坊さんオマールが、メッカへ巡礼に出かける途中でモカの町へ立ち寄り井戸を掘ったら聖水が湧き出た。ちょうど流行り病がモカの町の人々を苦しめていたので、その聖水を飲ませて治した。その噂を聞いた土地の領主が娘の病も治してもらおうと数日間オマールに預けた。その後、娘は治って帰ってきたがオマールとの噂話しが広まり、怒った領主はオマールを追放した。弟子のウザブ達と山中で暮らしていたオマールは食べるものがなくなってきたときに、野生の赤い実をつける木を見つけ、実を食べたり茹でたりしていた。そのうちまた町中に流行り病が広がって、オマールのことを憶えていた人々が山中へ訪ねてきて乞うので、その果実を煎ってすり潰し黒い液体を作って「これはメッカの聖水ザブザブと同じ霊験ある飲み物だ」といって飲ませて治した。”という話しです。

なぁーんだぁ、宣伝用の話かぁ・・・とガッカリしちゃいましたか。^^
特に聖職者オマールが登場する話は、イスタンブールに世界初の珈琲ハウスが誕生してから凡そ30年後の1587年にシェーク・アブダル・カジが「アラビアの手書き本」の中で紹介した伝説ですが、その内容は少しずつ変えられていくつかのパターンに分かれて発表されたりしてるようです。

でも間違いなく、コーヒーノキの赤い果実に含まれてるカフェイン効果を見つけて珍重したことは確かです。その効果を最初に見つけたのは、やはり今のエチオピアに住んでいた原住民の人たちだったと思います。

ただし、その当時のコーヒー果実の利用飲用方法は少し違っています。 私たちはコーヒーノキの果実の種子を取り出して、煎ってから粉に挽いてお湯でコーヒーを淹れますが、そのような利用法は最初からあったわけではないんですね。

どのような方法で利用されていたかといいますと、現在でもエチオピアに住む遊牧民族のガラ族にその利用方法がみられますが、コーヒーノキの実を果肉ごと潰して、動物の脂を混ぜて団子状にして携帯食として持ち歩いたり、果実を煮出してその汁を飲んだりしてます。

そのような飲用方法は、イスラムの聖職者で最初にコーヒーノキのカフェイン効用を見つけたスーフィー派の僧侶達も行っていたのです。

この辺りの話しはまた後ほど話しますが、アラビア半島の南端のイエメン(あの美味しいモカマタリが採れる)では、今でもコーヒーというと種を取り出した後の外殻を煎って、ジンジャーやカルダモンの香料を入れて、砂糖を加えて煮出したものを飲んでいます。それはコーヒー豆が輸出用で、残りの外殻を国内消費してるわけでなく、外殻を使って淹れた「ギシル・コーヒー」のほうが人気が有るからなんですね。 その証拠に、イエメンでは一杯の値段は普通のコーヒーとギシルコーヒーは同じなんです。

                   ではまた。

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2007年2月28日 (水)

エチオピアからイエメンへ

コーヒーノキの最初の原木は、コンゴからエチオピアにかけての山岳高原地帯で自生していたと考えられていますが、いつの時代に誰が見つけたかという正確な記録文献は見つかっておりません。

Ethiopiaygf2 厳密にはアカネ科に属する熱帯植物の全てはコーヒーノキとしてみなされ多種に及びますが、美味しい実を付けるアラビカ種コーヒーは海抜800mから2000mの高地で育成します。

ただ例外的にエチオピアでは2800mもの高地でも育成し、カリブ海諸島やブラジルでは100mの低地でも美味しいアラビカ種が育っていますが、生育環境の原型としては熱帯の原生林が密生する山岳地帯なんですね。

そのような環境の中で、生息するオナガザルやジャコウネコ科のルアクなどの小動物や野鳥が赤い実を食べて、糞として種子をまき散らし自然伝播してきたと思います。

そのような自然伝播を考えたとき、これからの世界に向けてのコーヒー伝播出発点として、一つの大きな疑問に対する答えがなかなか見いだせないでいます。

それは、エチオピアと紅海を挟んで対岸にあるイエメンへは人間の手を経て移植されたのか、または野鳥が媒体となって伝播したのかの答えなんです。イエメンの在来種とされてるティピカ種とアラビカ種そしてモカ種は、世界中で生産されてるコーヒーノキの原種でもあるからです。

このイエメンという国は、あの有名なシバの女王で知られる古代シバ王国ですね。Photo
このシバの女王「マケダ」は、紀元前10世紀にアラビア半島南端から紅海を渡りアフリカのナイル川を北上してエルサレムのソロモン王を訪れ、ソロモン王との間に出来た子供が今のエチオピアの始祖メネリク1世だとされています

それほどにエチオピアもイエメンも古代から成立していた国家ですから、コーヒーノキの伝播を考えたときには、いろいろな想像をかき立てられますが、コーヒーノキそのものが注目されるようになったのはシバノ女王から2000年近くを経た紀元9世紀からの話しです。

                                 では、また次回をお楽しみに。

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